ご挨拶

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ご挨拶

順天堂大学の洲崎悦生と申します。2025年9月13 日(土)〜 15 日(月)の 3日間にわたり、弊学順天堂で開催します、第 23 回日本デジタルパソロジー・AI 研究会学術集会の総会長を務めます。

日本デジタルパソロジー研究会は、1999 年より始まった病理医、臨床検査技師、光学機器や通信・情報システムを取り扱うベンダーで構成された研究会です。近年、病理診断の現場において、病理スライド標本を高精細にデジタル化する WSI (Whole Slide Imaging) システムや、人工知能(Artificial Intelligence, AI)の活用が進められ、医療への実装可能な技術として成熟しつつあります。世界的にも、AI技術を中心に研究開発が急速に進み、基本的なH&E画像診断はほぼAIがこなす時代がもう身近に迫っていることを感じます。
さらに、昨今の空間オミクスやマルチプレックス免疫染色をH&E画像と組み合わせたマルチモーダル情報技術、ライトシート顕微鏡やトモグラフィー顕微鏡、MicroCTを活用した3次元病理学技術など、組織病理学が扱える情報の幅が急速に拡大しています。

このようなトレンドを前に、本年会では"Expanding the Dimension of Digital Pathology"をメインテーマとして設定いたしました。ここでの"dimension"は、空間、分子、データ解析手法など、あらゆる組織病理学が扱う情報の拡張を意味します。診断学としての病理学、また疾患機序を理解する研究手段としての病理学の"次元"の急速な拡張を、本年会で皆様と共有できればと思います。デジタル+AIという先端的なトレンドに、日本がキャッチアップし先導をしていくために何ができるか、参加者の皆様と議論できることを楽しみにしています。

病理医ではない私が、20年以上の活動を続ける本会の総会長を僭越ながら担当させていただくことは、病理学におけるこの大きな変革の時期を象徴しているかのようにも感じております。

多くのみなさまに演題登録やご参加を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。順天堂大学でお会いできることを心よりお待ち申し上げております。

  • 第 23 回日本デジタルパソロジー・AI 研究会総会
  • 総会長 洲崎 悦生
  • (順天堂大学大学院医学研究科 生化学・生体システム医科学 主任教授 /
  • 中谷生体空間オミクス医療解析拠点 拠点長)