年会長挨拶
この度、第39回日本毒性病理学会総会及び学術集会の年会長を拝命致しました。本学会総会及び学術集会は2023年1月25日(水)および26日(木)の2日間で、タワーホール船堀(東京都江戸川区)の現地及びオンラインでの両方で参加できるハイブリッド形式の会議を準備しております。また、1月24日(火)には、第35回スライドカンファランスの開催ならびに日本毒性病理学専門家資格認定試験問題の解説を予定しております。
本学術集会では、「毒性病理学の挑戦 –伝統の継承と次代を見据える技術革新–」をテーマとして掲げました。毒性病理学は、医薬品、農薬、食品関連物質、環境化学物質などのヒトに対するリスクを、長年培われてきた学問体系に基づいた形態学的手法を駆使して評価する学問であります。また、必要に応じて様々な関連技術を駆使することで形態評価に確度を与え、毒性メカニズムに切り込めるという特徴があります。日本毒性病理学会は、毒性病理学の進化や発展を目的として設立され、これまでに多くの研究成果を生み出し、学術的にも社会的にも貢献して参りました。近年では、新規モダリティに対応した病理評価法の開発だけでなく、イメージングや空間的遺伝子発現解析技術を取り入れた毒性作用機序の解明やゲノム編集技術を利用したヒト外挿性向上への挑戦など、新たな領域での発展が必要となってきております。本学術集会におきましては、上記のテーマを掲げて、長年培われてきた毒性病理学の伝統の継承に関する取り組みと共に、これからの毒性病理学を担うことが期待される新技術や、伝統を踏まえて進化するリスク評価の取り組みなどを紹介し、創造性のある学術分野への発展に貢献することを目指しております。
本学術集会におきましては、会員皆様の日ごろの研究成果を積極的に発表していただき、活発な意見交換の場を提供できることを願っております。多くの皆様の積極的なご参加を心よりお待ちしております。
第39回日本毒性病理学会総会及び学術集会
年会長 渋谷 淳
東京農工大学大学院農学研究院 獣医病理学 教授