大会長挨拶
第72回日本実験動物学会総会
大会長 長尾 静子
(藤田医科大学 病態モデル先端医学研究センター)
このたび、2025年 5月 21日(水)~ 5月 23日(金)に名古屋国際展示場ポートメッセなごや(名古屋市)にて、第72回日本実験動物学会総会を開催させていただくことになりました。東海地方において開催されるのは、2002年の第49回総会(西村正彦大会長)以来であり、実に23年ぶりとなります。
我が国の実験動物業界が今日あるのは、アカデミアの先生方はもとより、実験動物ユーザーの方々、関連する動物、飼料、器材などの企業の皆様の連携とご尽力の賜物と考えております。日本独自の研究の重要性を再考すべき時である今こそ、本学会の「実験動物に関する基礎及び応用研究の発表、知識の交換、連絡、情報の提供を行うことにより、実験動物学およびその関連領域の進展、普及を図り、もって我が国における学術の発展及び科学技術の振興に寄与する」という設立趣旨を益々推進すべきであると考えます。今回の総会を開催するにあたり、これまで先人が築いてきた基礎研究を臨床応用へと発展させていくために、未来を支える若い世代がそれを引き継ぎ、より発展させることに期待を込め、メインテーマを「基礎研究から臨床応用へ、未来を支える力」としました。
記念すべき特別講演の招待演者は、これまで蓄積された科学的知見を基にiPS細胞から誘導した腎細胞オルガノイドと疾患モデル動物を用いて治療法開発に携わっていらっしゃる、京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)副所長の長船健二先生と、初代AMED理事長を務められ、2023年に実中研(2024年4月に実験動物中央研究所より改名、Central Institute for Experimental Medicine and Life Science:CIEM)の所長に就任された末松誠先生にお願いいたしまして、ご快諾を賜りました。さらに、次世代医療に一石を投じる、若い世代の先生方によるシンポジウムを企画し、魅力あるプログラムになるよう、また、参加者と企業の皆様が至近距離で交流できる場を提供できるよう、準備を整えております。
愛知県、岐阜県、静岡県、三重県の4県を擁する東海地方は、日本の中央部に位置するため、国内のどこからもアクセスしやすい土地柄です。会場となる名古屋市は東西の文化が交わってきた街であり、戦国~江戸時代頃に活躍した多くの大名の出身地ということもあり、名古屋城をはじめとした歴史的スポットが多数あります。ほかにもファミリーで楽しめる水族館・動植物園やテーマパーク、製造業の歴史・最先端技術に触れられる記念館など、多種多様な観光スポットも点在しています。また、名物グルメが多いことでも知られ、名古屋グルメや伝統料理などを目的として訪れる人も少なくはありません。今回の大会に、多くの方々がご参集頂き、親交を深めて頂ければ、幸いです。